二人で男性ファッション誌コーナーに移動。
「前は俺も載ってたんだぜ!慎吾ほどじゃないけど。」
拓也くんは懐かしそうに雑誌を手に取った。
「ん、ほら。」
開いて渡された誌面には…
『わー………』
慎吾だ…
慎吾だけど、
慎吾じゃないみたい…
流行りの服を着て
街中に普通に立ってる写真
階段に座ってる写真
どこかを見つめてる横顔
ジーンズのポケットに手を入れてカメラ目線
くしゃくしゃに笑ってる顔
全部…
私の知らない慎吾のような気がした。
これが、慎吾がしてるバイト…
お仕事中の顔…
この人が
隣の部屋の人…?
この人が
私のレンタル彼氏…?
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