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「ただいまあ。」
帰ってくるなり、若草くんは一目散に私の様子を伺いにきた。
『おかえり。』
「どう?具合は。」
『もう大丈夫。これ、ありがとう。』
私は薬などが入ったビニール袋を指差した。
「よく寝た?
腹減ってない?
俺、料理全くできねーから、一応こんなんで良かったら買ってきたんだけど。」
若草くんは二人分のお弁当を私に手渡した。
「あ、ちゃんと弁当屋で買ったやつだから体に悪くはないと思う!」
なんか本当に彼氏みたい。
若草くんは冷蔵庫から水を出してごくごくと身体に流し込む。
大きな背中を見つめながら
不安、と一言では表しきれない気持ちになった。
どうしてそんなに優しくするの?
私が
あの、写真に写っていた人に
似てるから…?
わかんないよ
わかんないけど、
そばにいたい。
たとえ、あの人の代わりだとしても。
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