『だって、なんか
そんな人が今目の前にいるなんて
すごいなって思って。』
若草くんはお腹いっぱいの様子で
またいつものようにソファーに座る。
「別にすごくねーよ。
俺、みんなが思うほどすごい人間じゃないし、
至って普通だから。」
『いやいや、すごいよ。確かに若草くんかっこいいし!』
私の言葉に彼は目を光らせた。
「佳乃、俺にベタ惚れだなあ。」
『そういう意味じゃないってば!!』
「なあ、こっちこいよ。」
私は食べかけのオムライスに目をやった。
「早く。」
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