『聞いた。
てゆうか、
実は………私…写真をね…見ちゃったことがあって………。』
「写真…………?」
数秒置いて
慎吾は全てを分かったようだった。
『ごめんなさい。
勝手に見ちゃったこと黙ってて…。
私に、そっくりな人だったんだね。
香織さん。』
私は慎吾の赤くなる顔を見ていられなくなって
テーブルの上に視線を移した。
『分かってる。
慎吾が香織さんのこと、すごく好きだったことも…私とは、最初は本気じゃなかったことも。
でもね、
私はそういうのも含めて慎吾を見てるよ。
私にとっては慎吾が全部初めてだったから…
こんな気持ちになったのも、ドキドキするのも、
全部受け入れたいと思うのも…。
慎吾、かわいそうだよ。
本気で恋愛
ずっとできなかったんだよね。
寂しかったよね、
香織さんが結婚したってきいて
辛かったよね。』
だけど慎吾は
私にたくさんのことを教えてくれた。
いつも優しくしてくれて楽しませてくれたね。
俯いていると
後ろからふわりと抱きしめられた。
「…佳乃……ゲームオーバーだよ…」
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