拓也くんと別れ
マンションに戻ると
もう日が傾きかけていた。
結構長い時間
ファミレスで話していたんだと気づく。
拓也くんがいなかったらきっと私慎吾のこと誤解したままだった。
慎吾の過去も
本当の気持ちも
知れて良かった。
階段を一歩一歩あがっていく。
いっそ
部屋の前で慎吾の帰りを待っていようかと思うくらい
早く慎吾に会いたかった。
早く話したかった
分かり合いたかった
謝りたい
抱きしめたい
早く……………
はやる気持ちを抑え
階段をのぼり終えた。
『………慎吾……』
私が待つ前に
慎吾が
部屋の前で待っていた。
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