「慎吾は香織先生のことが好きだった。
まじで。
香織先生も少なからず慎吾には特別な気持ちをもって接しているようにも見えた。
俺と慎吾は同じ高校に入学して、
それからもずっと仲が良かった。
あいつは高校でもモテてたし、男友達も多かった。
高校に入ってからすぐに、慎吾から香織先生と付き合ってるってことを聞かされた。
中学を卒業する少し前から…だったらしい。
驚いたけど当然のような気もした。
慎吾は香織先生との関係をすげー大事にしてたし、
慎吾にとって
香織先生は居場所だったから。」
胸がヅキヅキと痛む。
私が決して
知ることのできない慎吾。
拓也くんは冷めたポテトにようやく手をつけた。
「二人がどんな風に付き合っていたかはしらないけど羨ましいくらいだった。
香織先生からしたら俺たちは教え子なわけだし、歳も離れてるし…普通ならありえねーじゃん?
それでも、そんなことを感じさせないくらい
慎吾と香織先生がお似合いだって思ったし、
こんなんを運命の相手って呼べる関係って言うんだろなーって。」
『運命の相手、か……』
慎吾にとって
その‘香織先生’は
全てだったんだね。
『…じゃあ、
二人に何があったの?』
そんな運命の相手だと思える人と
どうして離れてしまったの…?
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