「お前は、アホか!!!」


バイト終わり


もうすっかり居慣れた
バックルームで拓也くんにお叱りをうける。




「最近浮かない顔してるから慎吾と喧嘩でもしたのかと思ってたら…
なんだ、佳乃ちゃんのひとりよがりじゃん。」



エプロンをロッカーに直す手を止める。



『ひとりよがり?』



「そうだよ、
慎吾の話も聞かずに結局慎吾がその子と良い感じだって決めつけて
一方的にバイバーイ、だろ?」




そうだけど…



『だって…こわかったんだもん。』



「慎吾と向き合うのが?」


『うん…』



慎吾はずっと
ゲームとは感じさせない態度でいてくれたから



お前はゲームだって

はっきり拒否られるのが

こわい。




「ほんとバカだなあ。」



『ちょっと!
さっきからアホとかバカとか…!
そもそも拓也くんが言ったことにだって原因あるんだからね!?』


「は!?俺?
人のせいにすんなよなー。」



言い合いをしながらも一緒にバイト先を出た。




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