「お前ら、それでいいの?」


「『えっ?』」


「俺さぁ、昔ダンスの舞台を見に行った事があるんだよ。それはそれは、ダンスのリズムから足の角度まできっちり揃ってるんだよ。だけど、ダンサー達の顔を見ると超ガンバって作る笑顔なの。もう、見てて悲しくなっちゃったんだ。お客さんって、そうユーの見てわかちゃうだよな。それ以来、俺が踊る時には思いっきり楽しんでやることにしたんだ」



「僕、怖かったんだよね、最初。このメンバーでホントにやっていけるかって。」
颯人が寂しそうにつぶやく。


「俺も。自分の前に誰もいなくなった時、死ぬほど怖かった」
唯斗が賛同する。


「それ、分かるかも。今まで、いろんな人のバックやってて、今自分が1番前で歌うとなった時、初めて舞台が怖いと思ったもん」
来武と檸檬が口を揃える。



『とにかく、舞台には間に合わせますから。オレはコイツ等と違って怖くありませんから。しかも、楽しく』
オレは言葉を吐き捨てて帰る。



「蓮!!」
後ろでオレを呼ぶ声がしたがそれを無視して歩き続ける。