「高瀬に告られて、どう美咲が
思ったか知らねぇけど…
俺には関係ない。
…俺は美咲が好きだから。まだ美咲が高瀬の事を好きでないなら、
俺は美咲を惚れさしてみせる。
覚悟しててな…美咲」
最後の方は囁いて、
「じゃあおやすみっ」
そう言って輝は去っていった。
輝…。
まだ私が好きなの?
こんないつまでも正樹の事で、
うじうじ迷ってた私を…。
分からない…。
輝にドキッとしてしまう私。
また正樹と一緒にいたいと思う私…。
どっちを選べばいいの…?
[輝ver]
美咲に正直に言った。
高瀬…。ゴメン。
俺はやっぱり協力できない…。
自分の気持ちに諦めなんて簡単につかねぇんだな。
初めて恋ってもんしたからわかんなかったわ…。
こんなに苦しくてつらいくて…。
高瀬もつらかったんだろうな。
でも、負けたくない…。
美咲が高瀬を好きになったら、
あきらめるよう努力するから…。
この俺の初恋が、
美咲と結ばれようが、
はかなく終ろうが…
俺はそう思いながら、
ベッドに入り、眠りについた。
[輝ver]
ピピピッピピピッ
カチッ
「ふぁ〜…」
昨日風呂入らないで寝たから、
俺はシャワーを浴びた。
てか昨日、結局美咲の飯食ってねぇじゃんッ。
悪い事したな…。
俺はぱっぱと風呂場から出て、
制服に着替えた。
リビングの方に向かうと、
もう美咲が朝飯を作っていた。
「お…おはよっ輝」
美咲、軽く吃ってるしっ
「おはよう。
そんな昨日の言葉は気にすんなよ。ただ俺は、お前を思う気持ちはホントって意味。軽い気持ちなんかじゃねぇから」
「えっと…ありがと…」
「それと昨日は夜ご飯悪いな」
「ううんっ大丈夫!あっ今日は、
朝ご飯スクランブルエッグだから」
「分かった」
そうして俺達はご飯を食べ、
美咲が最初に家を出て、
俺が後に行くという形で学校に行った。
学校に着いて1番最初に向かう場所…
それは、
「あのさ、2組に高瀬正樹ってヤツいるよな?」
俺は、隣の教室…まぁ美咲と高瀬と優里ちゃんがいる教室へと向かった。
「えっ輝〜!久しぶりだねーこうやって話すの♪」
コイツ誰だっけ…
1回だけ相手したような…
「で、高瀬は?」
「正樹くんならまだ来てないかなぁ〜私の隣なんだ!」
そんなのどうでもいいから。
なんか美咲がちらちらこっち見てるし…。
「あんまくっつくんじゃねぇっ」
「何でぇ〜?」
「その無駄にお前のデカイ乳があたってんだよ」
「しかたないじゃない。
輝が大きくしたんだよぉ〜?」
コイツは大きな声で…
「なわけないだろっ俺は女とは1回しか関係もってなかったんだよ」
「じゃあもう1回やって〜?」
「無理」
「ひど〜い!」
早く高瀬来いよー!!
と思っていると、
「何やってんの?高橋と八木さん」
「あ〜正樹くんっ」
「何、高橋の新しい彼女?」
「コイツは絶対無理」
「そんな言い方ないでしょ〜…傷つく!」
傷つけ傷つけ。
八木ってヤツはプンプンして教室に戻ってった。
「俺さ、お前に言いたい事また出来たんだわ。用意できたら屋上来い」
「あぁ。分かったよ」
高瀬にそう言い、俺は先に屋上に向かった。
ガチャ
「何だよ話って?」
「俺さ…「やっぱり美咲は譲れない」
「えっ?」
「だろ?」
「ハハッよく分かってんじゃん。
まぁそういう意味だ」
「だろうと思ったよ。
まぁ、恋愛は自由だ。
誰かがとやかく言う事じゃない」
「て事で…俺達はライバルなわけだな」
「そうだな」
「「美咲を惚れさせるのは俺だっ」」
「「プッハハハッ」」
俺達に何かが芽生えたみたいに、
2人してハモった。
それは友情というものが芽生えていたのかもしれない…。
[美咲ver]
二人ともどうしたんだろ…
後ちょっとで授業始まっちゃう。
「輝くんと正樹くん、どうしたんだろうね?
美咲ちゃんの事で二人とも争ってたりねっ」
「なっ//ちがうよっ変な事言わないで優里」
「どうかなぁ〜?輝くんは絶対譲るって考えは出さなそうだし、
正樹くんだって美咲ちゃんの事大切に思ってるから、そう簡単には美咲ちゃんを渡さないだろうね」
優里には昨日の夜に、輝と正樹の事言ったんだよね…。
〝どっちを選ぶの?〟って言われたけど、
やっぱり悩む…。
ダメだよねこんなんじゃ…