大学に行きつつ、タイラと裏で動き回る日々がかなり続いた。



「賭けに出るよ」

「早い気もしますが…やりましょう、虎宇様」



アスカと連絡を絶って1年近く。



引きずりおろしてやる。



「失礼します」

「なにをしている?」

「あなたに社長をやめていただきたい」

「寝言は寝て言うもんだ」

「こちらの書類を」



今まで調べ上げた不正の数々や、俺を指示する者の署名。



それも太刀打ちできないような数の。



「辞任、しますか?」

「親に向かって…。私が握りつぶせないとでも思ったか」

「潰されたからって、どうにかなりますかね?あなたのポジションをいただけるなら会長として名前だけ置いとくことを許してあげますよ」

「はっ!!なにをバカことを!!」

「楽しみですね、株主総会が」

「まさかっ…」

「夜まで待ちます。どうするか決断してくださいね?父さん」



握りつぶされたら結構な痛手だ。



賭けはやっぱり…リスクがデカい。