大学に進学したら成し遂げる野望のために一直線のはずだった。



なのに姿を消したアスカ。



子どもが欲しいとか、正社員になりたいとか。



はぐらかすだけはぐらかして話をまともに聞かなかった俺が悪い。



アスカはずっとそばにいてくれると思って安心しきっていたから…。



きっとそのうちまた『虎宇、大好き』って言ってくれるって思ってた。



それもなんだか無理っぽい気がしてきたね。



「タイラ、仕事しよう」

「はい、そうしましょう」

「アスカを迎えにいくのは…それからにする」

「では約束をとりつけますので虎宇様は必要書類をまとめた上で準備しておいてください」



待ってて、アスカ。



絶対、絶対迎えに行くから。



それからは鬼のように仕事をする日々。



裏で裏で、裏で動く。



早くあんたのこと、引きずりおろしてやるから。



実の息子が上に立つのは…どんな気分なんだろうね?



その時の顔が楽しみだ。