それから虎宇と未来の話しなんてしなかった。



虎宇がいやがるから…。



「バイトやめんの!?」

「デキちゃってさ~。結婚することにした。彼氏、ちゃんと定職についてくれたし」



同い年のバイトの子が妊娠して結婚するんだって。



その顔が幸せそうで、余計苦しくなる。



ヤダヤダヤダ。



考えたら止まらなくなるから考えちゃいけないのに…。



何とかその思いは隠して、日々生活。



虎宇が高校を卒業して大学へ進学した。



やっぱりひとり暮らしはダメで、家から通ってる。



気分転換に留宇の家へ遊びにやってきた。



専業主婦で、善を育ててる留宇を正直偉いと思う。



「ねぇアスカ…」

「ん~?あっ、おいで善」

「なんか…気持ち悪いっていうかね?ご飯あんまり食べられなくて…」

「風邪?善にうつったら可哀想だね」

「風邪じゃないと思うんだけど…。やっぱりアスカにはいちばんに言いたかったから…」



まさかっ…。



確定したわけじゃないものの、どうやら留宇が妊娠したらしい。