そのすべてから留宇を守るため、あまり双子だということは口にしない。



そこまで虎宇が留宇を大事なしてたのは、きっと虎宇の生い立ちにあるんだと思う。



小さな頃から英才教育、跡取りとしての教育を受けて育ったらしい。



そして、小学生の頃から頻繁に会社に連れて行かれ、残酷な現実を見て育った。



留宇に降りかかる全ての悪を取り払って来たらしい。



自分のような思いはさせたくないと。



そんな虎宇が自分を犠牲にしてまで守った妹がアメリカへ飛ばされそうだって…。



自分の分身とまで思ってる妹と離れるなんて、虎宇には相当苦しいこと。



留宇に対しての虎宇の思いは尊重してる。



だって虎宇の分身だから。



「どうにもできないの?」

「あの人は留宇をアメリカに送るって決めた…」

「なら虎宇は諦める?」

「わかんない…」



顔を埋めて、いつもの虎宇とは全然違う。



本当の虎宇はこんなに弱気じゃないよ…。