頬がくすぐったい。


――涙、?



歪む画面の中から「LOG OFF」を選択する。
誰もいないマップで、私のキャラValkyrieは、力尽きたまま、ログアウトした。



置いていかないで。
リアルもこんなにぼろぼろなのに。


助けて。
寂しいのはいや。

――ひとりは、いや。


壊れたロボットのような変な動きで片手を伸ばす。
パソコンの電源を切って、のろのろとベッドに入る。


頭から布団にもぐって、掛け布団をぎゅうっと握って、身体にまきつけた。


――たすけて。



私は布団の中で泣き疲れて寝て、また起きては泣いた。


連絡がない私を心配して家族が来て、慌てて病院に連絡するまで。


* * *