「……っふ」
「あっ……あ、ご、ごめんなさいっっ、はっ秦野くんっっ」
「や……わるいの……俺だから……っ」
俺は、情けないことに、そのまま膝から崩れ折れて四つん這いになり、少しの間息ができなかった。
「わぁ、ど、どうしよ、ほんと、ほんとに、ごめんなさいごめんなさいっっっ」
藤沢は半泣きで慌てている。
俺は片手で藤沢を制し、そのままピースサインを形作ってみせる。
そのまま腹に力を入れて歯を食いしばり、何とか鼻から息が吸えるようになった。
「だ……大丈夫だから。藤沢、気にしないで」
「でも、でも」
「いや、悪いの、俺だから、ほんと、気にしないで」
無理してるように見えたかもしれないけど、思いっきり笑顔を作る。
「ほんとに、ごめんなさい、無意識に身体が」
俺は手を振って藤沢をさえぎり、気にするなって気持ちを更にアピールする。
応援団からの要請か、藤沢を呼ぶ声が聞こえてきた。
「ほら、応援団、頑張らないと。行っといで」
「う、……うん、ごめんね、ほんとにっ」
そう言うと、藤沢は慌てて自分の持ち場へ戻っていった。