――あぁ、俺、今なら、なにも思い残すことはありませんっ。 ――そして藤沢、ごめん、無理やりでごめんっ。 またも、どこの誰に対してだかわからないけど、 懺悔にも似た言葉を繰り返しながら、 俺は家まで自転車を飛ばしていた。 藤沢に、俺の身体に腕を回させる、なんてことは。 清水の舞台からバンジージャンプで飛び降りて、反動でそのまま大気圏外まで行けそうなくらい、ものすごくものすごーく、思い切った決断だった。