「……いいの? こんなにあっさり、俺に教えちゃって」
秦野くんが聞くので、思うところを正直に言う。
「先生も言ってたけど、勝手に他人のメアドとかは、教えちゃだめだと思うんだ。
だから千里も、人づてで聞いてきた私のアドレスは、本人の了解もなく教えられないって言ってくれたし、私もそう思うし。
でも秦野くんは直接訊いてきてくれてるし、私も、秦野くんなら教えてもいいかなと思って」
「……進藤だったら、ダメなの?」
「うーん……えっとね、言ったら悪いかなって思うけど、進藤君って、ちょっと、んー、何ていうか」
「もしかして、軽いとか、チャラいとか?」
「……はっきりと、そう言うと、悪いかなって思うんだけど……」
「いや、確かにそう見えるから、しかたないよ」
「それに、ほとんど進藤君とは話したことないし、教える理由が判らなくて」
「そ、そうだねっ。理由もわからないのに、教えられないよね」
秦野くんの言葉に、私は軽く頷いた。