もしかしたらさ。 今。 もっのすごーっく、チャンスなんじゃないか? いやその、 ヘンなチャンスじゃなくて、 彼女のメアドを聞き出すチャンス。 ……だよな? いいよな? チャンスだよな? 誰に訊いてるんだか確かめてるんだか判んないけど。 駅の階段を上りながら突如頭の中に閃いたこのアイデアを、 できる限りさりげなく実行しようと、俺はタイミングを計った。