注文している秦野くんが、お店のおじさんと笑い合ってるのが見える。
もしかしたら、よくここに来てて、おじさんと仲良しなのかな。
と思ってたら、二人分のトレーを持って、秦野くんが戻ってきた。
たこ焼きのいい匂いが漂ってて、幸せー……。
「ありがとう、これ、私の分のお金」
「あ、うん」
あれ……心なしか、秦野くん、赤くなってるように見える。
「……おっちゃんにさ」
「ん?」
「今、そこで、注文した時。からかわれた」
「そ、そうなんだ……お店のおじさんと、仲よさそうだったよね」
「うん、よく来てるし」
何だか秦野くんの顔が見られなくて、
いい匂いのしてるたこ焼きを見つめていた。