相変わらず寒い朝が続いている。 この間割れてしまった爪のあたりもだいぶよくなってきていた。 今日から部活の朝練に復帰するため、俺は早めに家を出た。 ほんの数十分くらいの差だけど、すごく早く出てきた気がする。 ふぁあ、と思わずあくびが出てしまう。 目の前からものすごくたくさん、息が白くなって広がっていった。 ――すげー真っ白。 涙でにじむ視界の向こうを眺めてちょっと感動しながら、俺は駅までの道を急いだ。