ぼーっとしてじゃなくて、人にぶつかったからではあるけど、 実際階段から落ちて受け止めてもらった時から、 秦野くんとのことが始まったようなものだった。 ――そう考えると、あながち落っこちるのも悪くなかったのかも。 あわわ、何考えてるんだ私。 危ないに決まってるじゃん。もう。 残り三口くらいのごはんを一気にかきこんで、 「おひほーふぁまー」 と、食卓を立った。