また、胸が苦しいような、ヘンな気持ちになる。

何だっけ。
何を言おうとしてたんだっけ。


「あのね、」
歩きながら、私は何とか言葉を続けようとした。

「あの……急に、ホントにごめんね」

「や、謝ることなんか何にもないって」
秦野くんが明るく返してくれる。

「私ね、秦野くんにね、知らないうちに何か嫌なことしちゃってたかな、とか思って」

「……ん」

「それで今日、あんなことノートに書いちゃった」

「そっか」
秦野くんの声は、なんだか温かい気がした。