15分後。
……どうしよう。
進藤くんや千里たちと一緒に行った時は、10分くらいで着いてた気がする。
そして、何より、
――公園なんて、見かけなかったよねー。
私は見知らぬ公園の入り口に立ち尽くしていた。
冬は日の落ちるのも早く、公園の遊具が寂しく電灯に照らされているのが見える。
ここから駅まで戻る、って言っても、たぶんまた迷っちゃいそうな気がする。
第三公園、って書いてあるけど、町名もよくわかんない。
ここは、恥ずかしいけど、秦野くんにメールで聞くことに決めた。
『突然の質問でごめんなさい。
「第三公園」って、秦野くんの近所にありますか?
藤沢 茜』
少しして、メールの返信が届いた。
『第三公園なら近所にはあるけど』
秦野くんらしい簡潔な返信に対し、何とも情けないメールを送る。
『そこから駅までの道を教えてほしいです。
戻れなくなっちゃいました』