ノートを藤沢に渡した英語の時間。


――教科書を見てるだけの授業って、ヒマだな。


手持ち無沙汰なので、先ほど藤沢から受け取った一時間目の数学のノートを開いてみた。
何となく予想はしていたが、要点がわかりやすくて、見やすい。


藤沢って普段、こんな字を、書いてるんだな。

……って言うか、自分のと俺のと二人分を授業を聞きながら書いてるのに、
走り書きにもならないで、こんなにキレイに書けるモンなんだなあ。

女子だからかな。
それとも、藤沢だからこそ、なのかな。

俺は見ていたノートを閉じた。

俺の分までノートを取ってくれている藤沢に敬意を表して、
この英語の時間は、かなり努力して先生の話を聞いていた。