その時、荻原が拳銃をとった。…どうやら隠し持っていたらしい。
零さんがそれに素早く反応して銃を構えた。

私も咄嗟に構える。


荻原が私を、私と零さんが荻原を構えていた。

…荻原が狙っているのは、私?


「やっぱりそうか…」


「……」


零さんが、荻原に向かって言った。

「政治家…お前は…」


…零さんの言った言葉の続きに私は、絶句した。

何がどうなっているの?
嘘でしょ。

視界がぐらりと歪む。
嘘だ。
でも嘘じゃないと証拠を突きつけられると、私はへなっと銃を下に下げてしまった。


…夢だったとしたら、私は。

もう一度あなたに。