理沙が見ていた、あの政治家のホームページから住所を知って…今着いた。
見かけは普通の家風な事務所。

罠かもしれない。
でも行かないと、だめだから。

ガチャリ。

零さんがドアノブを回すと、ソファーと机、事務所らしくポスターも張ってあった。


「…殺し屋、待っていたよ。
それに…心愛という高校生も」

荻原が私を見据えた。
…ズキッ…。
マニフェストや言動と違って、優しそうな顔に私はたじろぐ。
…この人は、悪い人。
それは私もよく知っている。


「さぁ、消えてもらうぞ…?」


「…まぁ焦るな、殺し屋よ」


荻原のテレビと違った穏やかな声が響く。