周りを見渡す。

…人が多すぎる。
どこにいるか分からない。


…む?

見慣れた茶髪の髪が、人波の中で一瞬見えた気がした。


心愛……?



人波を押しのけ、一瞬見えた奴に近づく。

だが、茶髪の子もどんどん離れていく…。


「捕まえてみろ…零」

柩がケータイ越しに言う。
腹立たしくて思わずケータイを切った。





…心愛、心愛…心愛っ!

何故、俺から逃げる?



俺は…茶髪の肩を掴んだ。