思い切って通り抜けることにした。


公園は真っ暗で、昼間は子供達が遊んでいて楽しそうな遊具も夜に見ると不気味だった。

不意に大地は、自分の早歩きの足音が誰もいない公園に響き、まるで誰かが自分を追い掛けているような不安を感じた。



『早く帰ろう…』

不気味さに身震いしながら、よりいっそう足を早めた。


公園内はサワサワという木々擦れる音が四方から聞こえており、まるで大地を呼んでいるようだった。





――りん。






―と、木々の音に混じって微かに鈴の音が聞こえた。



立ち止まって耳を澄ますとより鮮明に聞こえてきた。





…りん…りんりんりんりんりん。




時間が経つにつれ音が大きくなっていく。


恐怖により、たまらず大地は走り出した。



『早く出口に…!!』




………



…………









………おかしい。


こんなに走っているのに出口に着かない。

公園は一本道なんだから、迷うはずがない。




おかしい。何で…!?



大地は走った。走りつづけた。

走っている間にも鈴の音はますます大きくなり、今では耳がいたいほどだ。




―――



―――――



―――――…!!





ようやく公園の出口が見えた。