大きな海原の真ん中に浮かぶ島国ネシオル王国は、大賢者様によって作られた『魔法の国』と言われている。
その名の通りこの国は魔法技術に特化しており、あらゆる生活の中に魔法が組み込まれており、もはや魔法なしでは生活が成り立たぬほどである。
一方で機械技術の進歩は諸国と比べるとかなり低いが、それを補っても有り余るほどの魔法技術がこの国は存在する。
それ故、昔からこの国の魔法技術を奪い取ろうと近隣諸国から度重なる襲撃を受けてきたが、島国という利点と世界一の魔法技術で敵襲を払いのけ、西の大国として発展していった。
今では東の大国アモール帝国と肩を並べる三大大国の一つである。
先の魔王軍との大戦では、周りの国々が滅び行く中、ネシオル王国とアモール帝国だけが大きな損害もなく主要都市の被害が皆無であった。
なぜネシオル王国は魔王軍の襲撃に耐えられたのか?
それは四聖官と呼ばれる組織の活躍があったからだ。
四聖官とは、国家魔術師の資格を与えられた優秀な魔術師の中から、さらに選びぬかれた『賢者』の称号を持つ四人の魔術師から構成される王直属の専属機関である。
王国の誕生と同時に組織され、王国の防衛と王の護衛、さらに魔法の発展と向上のために設立された。