確信染みた言葉に、イアンは否定をしない。


「最終試験に落ちた者を捕まえ、彼らの魔力を使ったな」


自身の魔力を使えぬのなら、他人の魔力を使うしかない。


それも一般の魔術師では駄目だ。


質の良い魔力を持つ人間を、大量に用意しなければならない。


「候補生ならば魔力の質に問題はない。彼らが禁書に魔力を与え、浮かび上がった理論の解読を行った。今なお聖者候補生を多く見積もっているのは、禁書から溢れる膨大過ぎる魔力に身体が悲鳴をあげているからだろう? ただ手にしているだけで身体に過度の負担がかかるからな。
候補生の体力が尽きたら、新たに候補生を補充する。実に効率的な方法だ。彼らならば貴方の言うことは必ず従うだろうしな」


それに。と、サイは続ける。


「賢者や聖者と違い、落選した候補生ならば片をつけやすい」


計画に加担した候補生全員が、口を割らないという保証はない。


関わった人数が多ければ多いほど、世間に漏洩する危険性も加速度的に上昇する。


情報を確実に漏洩さえない手法は一つしかない。