老父はただ祈りを捧げる。
女神のステンドグラスが老父を見守り、淡い光が降り注ぐ。
教会の中は長椅子がいくつも置かれているだけで、後は頭上のステンドグラスと大きな十字架があるのみ。
静寂な空間に、波紋が広がる。
轟音が響くと屋根が抜け、瓦礫とともに強大な生物が落ちてきた。
鋼色の鳥の姿を成した生物。
パラパラと細かい音が教会内に反響する。
強大な鳥の姿が次第に色を失い、透明度が増して行く。
最終的に謎の生物の姿は完全に消え、残ったのは瓦礫の山と辺りに舞う粉塵のみ。
そして、生物と共に舞い降りた一人の青年。
老父と同じ黒いフードを纏った人物。
老父は口の両端を不気味に吊り上げる。