道中の魔物は、どれも禍々しい気配を放っていた。
流石魔王の巣窟といったところだろう。
城の護衛のために放たれた魔物達は、容赦なくオレオとマリに襲いかかる。
いくらオレオでも大勢に迫られれば分が悪いが、幸いなことに緩やかなカーブを描く狭い階段のおかげで、必然的に一対一の状況に持っていける。
それになによりオレオには、勇者にしか扱えぬ聖剣がある。
初めて聖剣を使った戦い。
どれほどの効力があるのかは未知数であったが、効果はオレオが想像していた以上のものだった
たった一振りで魔物の身体は浄化され、光の粒子になって消える。
もはや数など意味を成さない。
オレオと聖剣の前では、魔物など風に揺らめく木の葉にすぎない。
ここまでの威力があるとはオレオも予想だにしていなかった。
魔法剣術のように、斬撃に+αのダメージが付加される程度だと思っていたのだがこの威力。