「女の子を超越する可愛さです」とか「可愛すぎてきっと魔王もタジタジです」とか「本当に女の子だったら告白してます」などなど。


本人は褒めているつもりだろうが、当のオレオはがっくしと項垂れるのだった。


敵は思わぬ所に隠れているようだ。


「とにかくさっさと逃げよう。ケイさんもそろそろ動きだす」


わかったと頷くとオレオは意図も簡単に、マリとレインの力を封じていた魔吸石の腕輪を素手で破壊した。


外れたとはいえすぐに魔力が復活するわけではない。


暫く魔法は使えないだろうが、一日二日経てば元通り魔法が使えるようになるだろう。


仲間の救出は成功した。後はどうやってこの基地から脱出するか。


入口から直接出るのはまず無理だろう。


だとすれば、考えられる手段は一つ。


「皆危ないから退いてて」


次の瞬間、けたたましい轟音の後にガラガラとガレキが崩れる音が静かに響いた。