タイマーをセットして、エクターが先導するように洞窟へ入っていく。


懐中電灯を使おうとしたがコーズが制止し、ポーチから黒い球体を取りだした。


魔力を注ぎ宙に投げると、球体はオレンジの光を放つ。


「人工太陽さ。こっちの方が便利だろ?」


光源はコーズの動きに合わせて、彼の頭上に常に居続ける。


なるほどこちらの方が便利だ。


懐中電灯では片手が塞がれ、照らせる範囲も限られる。


これは頭上から辺りを照らすので、十分な視野を確保できる。


「やっぱネシオルの魔具はすげぇな」


感嘆の声を漏らす。


安定した光源を手に入れて、順調に奥へ進む一行。


……おかしい。