「え、いや、覚えておるぞ。確か……そうじゃ、アモール帝国にあるはずじゃ!」


胡散臭い。


「……本当ですか?」


今一度突っ込んでみるが、アモスはしっかりと頷いて見せた。


「嗚呼、間違いない。アモール帝国の領内の洞窟に隠されていると聞いた。先代勇者が亡くなる直前に、仲間に頼んで聖剣を隠すように命じたらしい」


「先代勇者が? やはり伯父様は聖剣を使っていたのですね」


「伯父様? そうか、君は先代の甥っ子か」


「はい、先代勇者アーサー=カリバーンは僕の伯父です」


「そうか……」


伏し目がちに物思いにふけるアモス。


まるでなにかを悔いるような表情にオレオは戸惑う。


そういえば、なぜアモス賢者は伯父様についてこうも詳しく知っているんだろう?