まだ間を置く。


「聖剣はじゃな……」


またまた間を置く。


「あーうん。聖剣は……」


……雲行きが怪しくなってきた。


だが相手はあの元四聖官である賢者様。


誰もツッコもない。否、ツッコめない。


オレオはレインに目配せして助けを求めるが、勇者にゾッコンなはずのレインはすぐに視線を逸らして目を合わせようとしなかった。


どうやら一緒に暮らしているレインですら、この老人に意見するのは気が引けるようである。


「あー」とか「うむ」とかうわ言の様に続けるアモス。


話が進む気配が全く見えず、ついに痺れを切らしたマリが一歩踏み出した。


「もしかしてアモス様……聖剣の在り処をお忘れになったのでは?」