「……わかった。とりあえず岬まで一緒に行こう」
やはりマリを巻き込みたくなどなかった。
マリの強情な性格はオレオが一番身にしみている。
ここで駄目と言っても付いてくる。ならば条件付きで一緒に行くのが良い。
ここから岬まで目と鼻の先。危険もそれほどないだろう。
その間にじっくり交渉すればいい。
オレオという少年は、意外にも頭のキレる人物のようだ。
「最後に一つだけ確認させて」
いつになく真剣な面持ちでオレオは言った。
「コーズってガチでロリコンだけど平気?」
「あー……」
そこは本気で悩むのか。
なにはともあれ、勇者とロリコンとワケアリ少女。
珍妙な三人の旅が、始まったのだ。