目を覚ますと、部屋を借りた宿屋のベッドの中だった。
身体を起こそうとしたら、ズゥンと頭の内側から鈍痛が響く。
結局夜中まで酒場に居座り続け、成人を迎えているコーズとマリは酒を飲んだ。
嗜む程度なら良かったものの、二人ともかなりの酒豪。
どんどん酒を流し込み、酔いが回り始めるとテンションが上がり、また酒を一気に飲み干す。
アルコールの悪循環。
そんな飲み方をすれば倒れるのは当たり前で、酔いつぶれたコーズは酷い二日酔いと軽い記憶障害を併発していた。
確か昨日マリと飲み比べして……あれ? 俺どうやってここまで来たんだ?
飲み始めてからの記憶がごっそり消えている。
頭を捻りなんとか記憶を搾り出そうとするが、頭痛がそれを妨げた。
一先ず水道の蛇口を捻り、一杯の水を飲み干す。
乾いた身体に沁み渡る。プハーと息を溢すと、濡れた口元を手で拭った。