「遅いなぁ」
あれから何時間も待ったが、オレオは帰ってこなかった。
すでに朝日が昇り始め、ラクダの「ヴェー」というやる気のない鳴き声が耳に届く。
このまま一か所に留まれば、魔物の餌になるだけだ。
とはいえオレオを置いて移動するわけにもいかない。どうしたものか。
「お仲間が戻っていないのだろう? 私に構わず探しに行って来てくれ。手負いとはいえ、この辺りの魔物なら問題ない」
シキはこう言ってはいるが、彼を一人にすることは出来ない。
それに魔物に関してなら、シキよりオレオの方が上手だ。魔物関係ならなんら問題はない。
「だけど行き違いになっても困るからなぁ……」
すると、背後からドドドドドッという地鳴りが響いた。
なんだこの音?
徐々に地鳴りは大きくなる。