『那子って悪気なく口滑らしそうだよね』
『那子は人騙すとか無理だよ』
…ん?喋ってるのは一さんと真人さんなんだけど……この喋り方は…。
『『って永樹が』』
2人が口を揃え、指差す先には頭をポリポリかく永樹さん。
そうだ、あの喋り方は永樹さんだ。
『だってそうでしょ?』
悪怯れる様子もなく平然と言う永樹さん。
きーっっ!
「私にだってそれくらいできますっ!」
『那子は無理だよ』
何を根拠にそんなこと…!
『でも那子の家が会場なんだから最初から参加前提で話してたんだけど』
さっきまで永樹さんの言葉にムカムカしていたのに、今は永樹さんの言葉に喜んでいる。
『那子ちゃんは俺等にとってもう絶対必要な存在だよ』
次は竜さん。
嬉しすぎて、緩む顔が恥ずかしくて、下を向いて首を縦にブンブン振る。
『さては那子ちゃん照れてるね?』
下を向いている私を覗き込んでくる一さん。
「照れてないですっっ」
もうやめてくれ〜!
顔あっつい!
『おい、那子ちゃん噴火しそうじゃないか』
さっきから泣いたり怒ったり喜んだり照れたりして忙しい私を、この状況でも心配してくれる真人さん。
「真人さん助けて下さい〜っ」