『那子ちゃんは馬鹿だなぁ、そんなわけないでしょ?』


頭をポンポンしてくれたのは一さん。



『サプライズ言わなかったのは、俺らに構ってもらえない竜はバスケした後、絶対那子ちゃんのとこに行くだろうと思ったんだよ』




だろ?って一さんが竜さんに言うと、竜さんから衝撃の事実が。




『実は…俺今日こいつらにも断られて1人だからバスケ行ってなくて……』



え?でも確か逃げ込ませてって……。





『家に1人でいたらなんか那子ちゃんの顔浮かんで…でも理由もなく家行っていいって聞くの照れくさかったし、8時半すぎになれば逃げ込むって理由で会えるなって思って…、俺早く8時半すぎろーとかってずっと家でそわそわしてて…………って何言ってんだ俺っっ!』








嘘…、会いたい、なんて思ってくれてたの?






一さんはやっぱりね、なんて笑ってる。







嬉しいけど……でもでもやっぱり、知らされなかったのはひっかかる。



「知らせてくれてたらもっと大掛かりなことできたかもしれないのに……」



涙はひいて、しゃくり上げずに喋れるようになった。