竜さんもいつも通りに戻ったことだし…。


やっと心臓も落ち着いてきたのに、次の竜さんの声で呆気なく高鳴ることとなる。






『次可愛いなんて言ったら只じゃおかないからね』


そう言った竜さんは顔をズイと近づけて、人差し指を私の唇にチュ、とつけた。




あわわわわわっっっ!!







「何やってんですかっっ!?」


私は後ろに仰け反って竜さんの人差し指から逃れ、慌てて両手で口を覆う。





『ククッ』


そんな私を見て喉を鳴らして笑う竜さん。



「笑わないで下さい…」




『いや、だって那子ちゃんの反応さぁ…』





むぅ、絶対馬鹿にしてる。


笑いながら言う竜さんだからてっきり、

面白い。
とか、
からかいがいがある。



とか言われるかと思ったのに。







『可愛いくってさ』





竜さんの口から飛び足した言葉は予想外にも私にとって嬉しいものだった。




竜さんが可愛いって言ってくれた…。




それだけで私の胸はさっきとはまた違ったドキドキが鳴りはじめた。