竜さんがおかしいっ!
いつもの竜さんは絶対こんなことにはならない。
だって馬鹿みたいに可愛いから。
なのに、なのに、
『那子ちゃん、耳真っ赤…』
「ひっ…」
高い鼻で耳をつつかれる。
これは誰っ!?
うぅ、ドキドキが限界だ……!
「か、可愛いくないですっ!だから…離れて下さいっっ!」
これ以上耐えられない。
心臓が痛い。
こう言ったら離れてくれるんだよね?
『本当?』
「はい、はいっ!てゆうかむしろ…」
『むしろ?』
「イ、イヤラシイですっ!全然可愛くないです!」
まだ永樹さんのほうが可愛いらしいよっ。
だってたかが間接チューで喜んでたし。
まぁ私もたかが間接チューでうろたえてたけどさ。
『そっか、良かった』
その途端、竜さんは可愛い笑顔に戻って私から離れた。
え、良かったの?
イヤラシイって男のステータスなの?
…分かんない。
ドキ、ドキ、
あ、まだドキドキ鳴ってる。