返事をしてから黙ってしまった竜さん。
何か悪いこと言った…?
って、男の人が可愛いって言われて嬉しいわけないじゃん!
やってしまった…。
「すいませんっ竜さん『那子ちゃん』
必死に弁解しようと思って口を開いたんだけど竜さんによって閉ざされてしまった。
まだ竜さんの頬にあった私の手を力強く掴んだ彼の手は、さっき疑った20歳の男、の力で。
『俺だってね』
そう呟いた竜さんは私をジッと見つめて。
かっこいい…。
可愛いくないの、かっこいいの。
いつもの竜さんとのギャップ。
『…俺だって、こうゆうことするんだよ』
竜さんのいつもより少し低い色っぽい声は耳元で聞こえた。
手はじんわりと痛くて、顔のすぐ横に竜さんの顔がある。
…近いっっっ!
『ねぇ、ドキドキする?』
「えっ、あ、あの…」
ドキドキするに決まってる。
さっきから息が耳にかかってるんだもん!
『これでも俺、可愛い?』