ゴロゴロと馬車が塗装されていない砂利道を走る。
窓から見える風景は建物がかなり間隔を空けて建てられているほどゆとりがあり、家が少ない。
太陽の光を浴び、植えてある植物が元気に鮮やかな緑色に光っている。
「モニカ、疲れただろう?着くまで寝ていてもいいよ。」
ぼんやりと外の風景を見ていた私にフィオーラが声をかけてた。
「兄様こそ、ちゃんと寝て下さい。昨夜も遅くに帰ってきたのでしょう?」
遅くに帰ってきたのは仕事でだ。
また王宮でトラブルが起きたらしい。
「大丈夫だよ。モニカは時々寝れなくなるだろう?寝れる時に寝ないと……」
そう、私は過去のことがフラッシュバックして寝れなくなる時があるのだ。
「ちゃんと寝ているわ。」
すねたように言う妹に、兄は説教するように言う。
「寝ようと思っても寝れなくなることもあるだろう。昔から一緒にいるんだからそれくらいは知っているんだぞ。」