料理。
失敗する時はありえない味で驚愕するし、美味しくできたら自画自賛する。
私が学生だった頃は実家暮らしだったので、
高校までは、趣味で気ままにしか料理はしたことがなかった。
(バレンタインとか記念日とか誕生日とかだけ)
『あんたは恋してる時って、やたらキッチンに立つよね』
――と、よく母に言われた。…若干厭味っぽく。
(私は母と恋バナなんてしないので、何故バレるのか疑問だったが、
そりゃあ晩御飯の手伝いもしない娘が、自らキッチンに立つなら気付くだろう)
なかなか女の子らしい部分もあるらしく、
そういえば料理が下手なので恋をしている時は練習をしていた。
――――なんて、淡いお話ではありません。
素人のガールズトークの流れで、恋愛に有効な料理のネタ話を始めます。
まず始めに、ターゲットのポイントを明確にしておく。
【男子学生】
(今回は中学生・高校生・短大生・専門学生・大学生)
・実家暮らし
・自分では料理をしない
・元彼女は同級生か年下
(あるいは付き合ったことがない)
―――の三点が揃っているなら好条件なターゲット。
ファミレス、ファーストフードが好きならこの上ない。
つまり、この話の“学生”とは、ほどほどに恋愛をしてきた“普通の男子”を指す。
要するにどこにでも居そうな男子。
この学生男子は純粋な部分があるので、魔法にかけることができる。
魔法
―――それは、したたかに計算をする小悪魔もどきな料理の術。
平成な世の中に唯一、通用する料理のベタ魔法。
このベタな魔法さえ習得すれば、あなたはたちまちモテ子さんになるでしょう。
好きな人を落としたい―――
楽観的な料理にまつわるおバカなトークをどうぞ。
【1・得意料理は ごまかす】
まだ付き合っていない人と話す時の定番な質問。
『得意料理は何?』
好きな人に聞かれたらなら、やはり家庭的な子と思われたいのが乙女心である。
しかし、ここは『肉じゃが』やら『オムライス』なんて言う必要はない。
家庭的アピールで和食を挙げようが、オシャレアピールで洋食を挙げようが、
どちらにしろ言うだけハードルが上がるのだ。
言わないのがベターである。期待値を無駄に上げる必要はない。
また、本当に料理が得意であるにしろ、『冷蔵庫にある物で…』等と、
慣れてます発言もしない方が賢いかもしれない。
なぜなら“料理上手で美味しくて当たり前”だと思われると、
せっかくの料理という“アピールアイテム”の威力が弱まってしまうからだ。
私と友人がよく話すマストな答えは、
『料理とか毎日のことだからねー簡単なやつかな、野菜炒めかな。そもそも下手だし』である。
女だけの話だと信用ならないだろう。
なので男友達に、この呪文を考察してもらった結果を発表する。
一見ダメダメに思えるが、遠回しに“毎日料理してるんだ”と思えるし、
手抜き料理を挙げ、更に下手だと自分を下げることで、
男子は“飾らない子だな”と思えるらしい。
彼らの話をまとめると、なんとも便利なことに“素直だ”と株が上がるようだ。
一番肝心なのは、“料理が上手ではない”と植え付けること。
そこでたちまち手際良く料理すれば、一気に好感度が上がる。
『下手だから練習したんだ』くらいお茶目に言えれば上出来だ。
彼はあなたに勝手にときめいてくれるだろう。
【2・とりあえずガッツリ洋食】
なかなか10代20代前半で和食好きは少ない。居るには居るのだがごく稀である。
というのも高一の頃、クラスの男子に、
『彼女に作って欲しい食べ物アンケート』を実施したことがあるのだ。
(好きな人だけに聞くのが恥ずかしくて、クラス全員に聞いたと言う痛い努力は、
深く追求しないでくれたらありがたい。私は痛い女だった。
バレンタインも一人にあげるのが嫌でクラス全員に渡した迷惑な女である…)
からあげ・ハンバーグ・オムライス・肉じゃが・しょうが焼き・カレー・
クリームシチュー・パスタ・ビーフシチュー・グラタン・ロールキャベツ・かつ丼が人気だったはずだ。
(若干冬らしい食べ物があるのは、聞いた時期が冬だったからである)
ありがちなお味噌汁は数票だけだった。魚もなかった。
(一人だけだしまきたまご・ほうれん草のおひたし・ひじきと言った人が居た。
きっと彼は将来子供が出来たら、毎晩絵本を読み聞かせをする素敵なパパになるだろう)
つまり、おおよその男子はガッカリ系が好きなのだ。
(余談だが若い内に和食を求める人は、恋愛慣れしている場合が多い。データ的な根拠はない。
しかしそうだったと言える…女お泊り会で歴代の彼氏を分析したからだ。
…嫌なパジャマパーティーである)
さておき、
和食の良さに気付くのは、中高大学生の年代には少ないらしく、
育ち盛りは味が濃いものが好きなようであることが分かった。