「そういえばさ、愛梨と似たようなこと今日女の子に言われたんだよな」


秋兄は私の頭を撫でながら、思い出したようにしゃべりだした



「何を?」


「“彼女でもないのに頭とか触っちゃダメだよ”って。俺がその子にいい子だなって撫でてあげたら、そう言われてさ。今時の子はしっかりしてんだな」



秋兄ってば…


そんなこと言われたんだ



「その子さ、最初見た時男の子かと思ったんだよ。まあ、よく見たら可愛い子だったけど」


ちょっとその“可愛い”に反応しながらも、私は翼くんのことを思い出した



「あ、それなら私、今日会った子に逆の子がいたよ。ストレッチの時女の子だと思って話しかけたら男の子だったんだ。翼くんって言うんだよ」



すると、秋兄は驚いたような表情を浮かべた



「まじかよ。その女の子も翼ちゃんって言うんだけど」


「え?!本当に?なんかすごい偶然だね!」



女の子みたいな翼くん



男の子みたいな翼ちゃん




2人のおかげで、私は秋兄の彼女として一歩近づけた


…と思う