「ちょっと今見んなよ」


秋兄は口元を隠しながら私から視線をそらす


私は赤く染まった秋兄の頬に手を伸ばした


さっきみんなが触っていた頬


初めて触る頬…



「ちょ、なんだよ!」


「秋兄…ツルツルだね。うらやましい…」



ニキビも毛穴もないスベスベのお肌


高校生の私といい勝負って…


なんか悲しい…


もうちょっとスキンケア頑張らなきゃ



「そんなん愛梨のほうがツルツルだろーが。男に触られるくらい」


秋兄はぶすっとした表情でつぶやいた


男が触るくらい?



「…なんのこと?」


「とぼけんなよ。さっきあの子が触ってただろうが」


あの子って…



もしかして、翼くんのこと?!