「なぁ、真穂先に行っててくれるか?」


真穂はニヤニヤしながら頷いて、走ってロッカールームを出ていった



愛梨と2人きり


なんだか久しぶりな気がする



つか、付き合うようになって初めてか?



「愛梨、いい加減顔上げろよ」


「…秋兄のいじわる」



俺はそっと愛梨の前まで来て、愛梨の頬に触れ、顔を上げさせた



「ん?何が?」


「なんであんなにいじわるするの!」


「いじわるなんかしてねぇよ!ただ、本当のこと言っただけだし」



愛梨はにらむように俺を見上げていた


まあ全っ然怖くないんだけど


てか、その顔はかなり…



「真穂まであんなこと言うなんて…。私そんな顔してないもん!!」


ぷくっと頬をふくらませ、俺の胸をぽかっと叩いた


愛梨的にはそれは反撃なんだろうが、余計に俺の中の『男』を呼び起こす



「なんだよ、まだいじめてほしいわけ?」


「へ?」




お前…何にもわかってないな






「お前が…愛梨が好きだから、いじめたくなるんだよ」