私は、自分が何組なのかだけを確認して、集合場所に向かった。

誰が同じクラスだとかは
見なかった。

この学校に入学した同級生は本当に少人数だったし、みんな違うクラスだろうと思って。


集合場所では、新一年生が
クラスごとに並んでいた。

私も順番通りに並ぶ。


「あれ、梓ちゃん?」
誰かに名前を呼ばれて、
振り返ると そこには
同級生の真由(まゆ)がいた。
真由とは、中学生の頃、結構頻繁に話す機会があった。
でも、真由も同じ学校だったとは…。

「真由…!! 真由もこの学校だったの?」

「そうだよ。かなりギリギリで進路変更したの。…にしても、同じクラスだとかすごい偶然だね!」
真由が嬉しそうに笑った。

「うそ、私たち同じクラスなの?」
「そうだよ!またよろしくね。」
ビックリだ。
まさか同じクラスになれるなんて思ってもいなかった。
それに、真由とは結構仲良くやっていたから安心した。

知らない人だらけで
不安だったけど 少し和らいだ気がした。


それから数分後に、入学式が始まった。

校長や市長、PTA会長、生徒会長なんかの長い話が何10分も続いて、やっと入学式が終わった。



「じゃあ、また明日から頑張ろうね!」

真由が元気よく手を振る。

「またねぇ!」
私も大きく振り返した。


明日から 私の高校生活が
スタートするんだ。